千葉県公立高校入試 傾向と対策
鎌取・おゆみ野・誉田の学習塾 大桜塾です。
本日はいよいよ1ヶ月を切った千葉県の公立高校入試の傾向と対策についてお伝えします。
まずは令和3年度入試の結果と過去6年間の5教科合計の平均点推移をまとめました。
令和3年度入試の結果 | 国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 合計 |
平均点 | 52.8 | 59.3 | 61.7 | 54.6 | 57.7 | 286.2 |
過去6年合計平均点推移 | R3 | R2 | H31 | H30 | H29 | H28 |
平均点 | 286.2 | 261.6 | 279.6 | 294.3 | 276.1 | 257.5 |
令和3年度入試は前年に比べ大幅に平均点が上昇しています。また過去の平均点から比較しても、多少高い数値だったと言えます。
それでは次に各科目ごとに例年の傾向と、具体的な勉強方法をまとめました。
過去10 年にさかのぼって入試の傾向を見ていっても、各科目の基本的な構成はあまり変わっていません。令和3年度の教科書改訂の影響は一部ありますが、科目別の特徴を押さえておくことが重要です。
また令和3年度は新型コロナウイルスによる学校休校の影響で一部カットされた単元などもありました。
【国語】
大問構成
基本は大問が8つで構成されています。基本的な構成は
大問1・・・聞き取り問題
大問2・・・漢字の読み
大問3・・・漢字の書き
大問4・・・言葉の問題(品詞・敬語・慣用句・ことわざ・漢文など)
大問5・・・論説文
大問6・・・小説文
大問7・・・古典(古文・たまに漢文)
大問8・・・作文
となっています。令和3年度はコロナの影響かどうかはわかりませんが、言葉の問題がなく、大問が1つ減っていました。但し、論説文の問題の中に品詞を問う問題が混合されていました。また、古典に漢文が出ていたため、漢文は必ず出ると考えられます。
配点バランス
平均値として
聞き取り・・・8点~10点
漢字・・・18点(読み8点、書き10点)
言葉の問題・・・8点
読解・・・40点
古典・・・12点
作文・・・12点
となっています。令和3年度は言葉の問題(上記大問4)がなかった分、読解と古典の配点が上がっていました。
対策
最初の聞き取りで10分弱の時間が必ず取られるため、全体的に時間が足りなくなる科目となります。また、毎年入試の初日の1 時間目ということもあり、多くの生徒が緊張してる中取り組むことになるので、焦ってしまうものだと思って試験に臨む必要があります。漢字の書きは小学校6年生までに習った漢字から出題されるので、対策をすればさほど難しくありません。但し、書きの最後の1問は四字熟語や三字熟語が出題されるため、別途暗記が必要です。読解問題は説明文と物語文が一つずつ、教科書に載っていない初めてみる作品が出題されます。時間配分との勝負にもなるため、要約力(この文章がどんなことを言いたいのか短く整理する力)を養っておくとよいです。古典は最初の1,2問が比較的正答率が高くなっています。作文はほぼ部分点がもらえるため必ず取り組みましょう。5分くらいで文章を書けるような練習が必要です。
【数学】
大問構成
基本は大問が5つで構成されています。基本的な構成は
大問1・・・計算
大問2・・・独立小問(角度・面積・体積・資料・確率・作図など)
大問3・・・関数
大問4・・・図形
大問5・・・規則性(または新傾向問題)
となっています。令和3年度も大きな変更はありませんでした。
配点バランス
平均値として
計算・・・30点分
独立小問(角度・面積・体積・資料・確率・作図など)・・・25点分
関数・・・15点分
図形・・・15点分
規則性(または新傾向問題)・・・15点分
となっています。
こちらも令和3年度も大きな変更はありませんでした。
対策
最大の特徴は計算だけで30点分あり、1問のミスが合否に影響します。大問2の独立小問の最後は必ず作図が出題されます。ただし作図は正答率が低い年も多いため、1分考えて解き方の方針が定まらなかった場合後回しにしたほうが良いです。大問3は毎年関数が出題されますが、(1)の問題は正答率が高く、後の問題になるにつれて難易度が増していきます。関数を苦手としていても必ず1番の問題は取り組みましょう。大問4も毎年図形の証明問題が出され、最初は穴埋めになります。それに続いて証明の記述・線の長さなどを計算する問題となっていますが、最後の問題は毎年非常に難しい問題のため、作図と同じく時間をかけすぎないように気をつける必要がありま考えて解き方の方針が定まらなかった場合後回しにしたほうが良いです。大問5は規則性や新傾向問題となっており、使う公式は一般的なものですが教科書に載ってないような表現の問題が出題されるため、別途対策が必要となります。
【英語】
大問構成
基本は大問が9つで構成されています。基本的な構成は
大問1・・・リスニング
大問2・・・リスニング
大問3・・・リスニング
大問4・・・リスニング(単語の綴り)
大問5・・・語形変化・並び替え
大問6・・・英作文
大問7・・・中文読解
大問8・・・長文読解
大問9・・・対話文
となっています。令和3年度も大きな変更はありませんでした。但し、令和3年度からテスト時間が60分に伸びました(それまで50分)。
配点バランス
平均的にみると
リスニング・・・33点(内単語12点)
語形変化・並び替え・・・15点
英作文・・・8点
読解・・・44点
となっています。令和3年度も大きな変更はありませんでした。
傾向
リスニングと読解のみで8割を占める構成になっているため、英語を聞く・読む力が不可欠で単語力が必要になります。リスニングに要する時間が15分ほどかかりますが、令和3年度より試験時間が唯一60分となったため(他科目は50分)、以前にくらべ余裕をもって解くことが可能です。また大問4は出題形式がリスニングではありますが、単語の綴りを書かせる問題となっています。語形変化はパターンが不規則動詞・比較・複数形・序数が中心となっているため、比較的対策はしやすくなっています。並び替え問題は中2の後半以降で習う単元の文法が多く出題されています。英作文は20語程度の単語で書かせるパターンが令和3年度は25語程度となり難化しています。但し満点を取れた生徒の割合は全体で10%以下の年が多いため、英作文に自信がない場合は後回ししてテスト時間が足りなくならないように調整しましょう。読解問題は比較的文章が短い中文・1ページすべてが文章と資料で埋め尽くされる長文・会話形式の対話文の順番で出題されます。対話文の単元は比較的正答率が高いため、時間に余裕があるうちに優先的に取り組んだ方が良いです。
【理科】
大問構成
基本は大問が9つで構成されています。基本的な構成は
大問1・・・小問集合(化学・物理・地学・生物各1問)
大問2~9・・・化学分野×2、物理分野×2、地学分野×2、生物分野×2
となっています。令和3年度も大きな変更はありませんでした。
配点バランス
平均値として
化学・・・25点
物理・・・25点
地学・・・25点
生物・・・25点
となっています。令和3年度も大きな変更はありませんでした。
対策
大問1は小問集合になっていますが、小問ごとに分野が全て異なります。また大問2~9までも大問ごとに分野が分かれているため、前の大問が解けなくても次の大問に影響はありません。さらに大問ごとは分野だけでなく該当学年まで異なります。例えば大問3は『中2の地学』といったような区別がされ、1年生や3年生の地学分野と混合するような問題も出ないため、問題を解く際に記憶の整理がしやすくなります。そのため、問題をはじめから順番に解く必要はなく、自分の解きやすい大問から手を付けていくことで時間が足りなくなることを防げます。大問ごとに難易度が異なることも多いため、解いてみて難しく感じたら一旦後回しにしましょう。
【社会】
大問構成
基本は大問が8つで構成されています。基本的な構成は
大問1・・・総合問題(地理・歴史・公民混合、千葉に関する問題)
大問2・・・日本地理(地理分野)
大問3・・・世界地理(地理分野)
大問4・・・古代~近世の歴史(歴史分野)
大問5・・・近代~現代の歴史(歴史分野)
大問6・・・経済(公民分野)
大問7・・・政治(公民分野)
大問8・・・国際(公民分野)
となっています。令和3年度は学校休校の影響により、大問が1つ減り公民の国際関係の範囲がカットされました。しかし、これは一時的な
もので、基本は大問8つの構成になると予想されます。
配点バランス
平均値として
地理・・・35点前後
歴史・・・35点前後
公民・・・30点分前後
となっています。令和3年度も大きな変更はありませんでした。
対策
大問1は融合問題かつ千葉に関する問題が良く出題されるため、各分野の知識が最低限必要となります。またそれに合わせた千葉に関する内容は、教科書に必ず載っているとは言えない問題も出されるため、別途対策が必要です。大問2~9は、必ず分野の区別がはっきりと分かれています。例えば大問5は明治以降の内容しか出ず、問題を解く際にもわかっていれば落ち着いて記憶を整理することができます。つまり大問2~9までは地理を考えながら歴史も同時に考える必要などはありません。さらに、大問ごとのつながりもないため、地理が得意な場合は地理から、公民が得意な場合は公民から取り組むことで時間を有効に使うことが可能です。大問1から順番に解く必要はありません。必ず解けそうな大問から取り組んでいきましょう。以上のように、各科目特徴的な構成となってるため、特徴を知っているかどうかで勉強内容や対策も異なり、入試に対しての精神的余裕も差が出てきます。必ずこの特徴を頭に入れて入試に臨む必要があります。また、総進の「Sもぎ」はこの特徴を踏まえたテストになっているため、模試の前も各教科の特徴を改めて見直し、臨むとよいです。
このように入試問題はパターンがわかりやすくなっているため、定期テストよりも対策を練りやすくなっています。
但し本年度は教科書改訂により今まで出ていなかった公式や、用語の変更などもあるため過去問演習の時には十分に注意が必要です。
また今後も受験に向けての情報を発信したいと思います。