令和5年度千葉県公立高校入試平均点分析(国・数・英)
鎌取・おゆみ野・誉田の学習塾 大桜塾です!
引き続き令和5年度千葉県公立高校入試結果についての内容です。
今回は国語・数学・英語の3教科の詳細を分析していこうと思います。
国語
点数配分
●聞き取り・・・8点
●漢字、文法、言葉の問題等・・・20点
●説明的文章(説明文)・・・20点
●文学的文章(物語文)・・・23点
●古典・・・17点
●作文・・・12点
となっています。
点数配分に関しては前年とほぼ同じ構成でした。ここ数年でまたパターンが固定されてきています。
正答率分析
●正答率50%以上の問題・・・43点分
●正答率20%以下の問題(10%以下の問題も含む)・・・26点分
●正答率10%以下の問題・・・13点分
となっていました。
平均点が約48点のため、正答率50%以上の問題+作文が半分ほどとれて平均にのるといったところでしょう。
※作文に関しては満点をとれている生徒は約10%ですが、1点以上の点数が取れている割合は約64%になっていました。約13%の生徒が何もかけていないようなので、実際何かを書いていれば約75%の生徒が得点を得ていることになります。
正答率が20%以下の比較的難しい問題が26点分もあることから、高得点が取りづらい問題だったと言えます。
今年の国語の問題で一番注目した問題は大問5の(5)の問題です。
この「X」を答える問題は、何もかけていない生徒が約74%にもいて、何かしら点数を与えられた生徒がわずか約5%しかいないかなりの難問でした。
数学
点数配分
●数と式(計算など)・・・37点
●図形・・・28点
●関数・・・21点
●データの活用・・・14点
となっています。
点数配分に関しては前年に比べ関数の配点が10点ほど下がりました。その分に関しては他の内容に振り分けられています。
昨年から大問の構成が変わり、計算問題が減りました。その分は小問集合で補填され、年によって内容には偏りがでているようです。
正答率分析
●正答率50%以上の問題・・・50点分
●正答率20%以下の問題(10%以下の問題も含む)・・・30点分
●正答率10%以下の問題・・・24点分
となっていました。
平均点が47点のため、正答率50%以上の問題が全て取れると平均点がとれるというオーソドックスな正答率分布でした。
逆に正答率が10%以下の非常に難しい問題が24点分もあることから、国語以上に非常に高得点が取りづらい問題と言えます。そのため平均点も伸びずらく、平成28年度ぶりの平均点50点未満の年になりました。
今年の数学の問題で一番注目した問題は大問3の(3)の問題です。
この問題ですが、県の発表ですと正答率がなんと「0%」でした!
ただデータの算出方法が全数調査ではないため、本当に受験者全員に正解者がいなかったというわけではありません。しかし0%が出たことは大きな問題で、この問題を含め正答率の低い問題を多く出題してしまったことは、来年度以降の難易度に大きく影響があると思われます。
英語
点数配分
●リスニング・・・33点
●文法、文構造・・・15点
●短文読解・・・18点
●長文読解・・・13点
●対話文・・・13点
●英作文・・・8点
となっています。
点数配分に関しては前年とぴったり同じでした。英作文は出題方法が変わっていますが、点数配分は変わっていません。
正答率分析
●正答率50%以上の問題・・・36点分
●正答率20%以下の問題(10%以下の問題も含む)・・・17点分
●正答率10%以下の問題・・・10点分
となっていました。
平均点が約48点のため、正答率50%以上の問題が全て取れても全く平均点に届かないことになります。これは正答率が40%台の問題が比較的多く、ここを問題ごとに撮れた生徒と取れなかった生徒がバラバラに分布した結果です。そのため、40%台の問題を取り切れず30点台になってしまった生徒割合が最も多くなっています。
逆に正答率が10%以下の非常に難しい問題が10点分ありましたが、これは非常に多い割合となります。2021年度以降(前期のみ)、英作文の満点正答率を除くと正答率が10%以下の問題はたったの5問しか出題されていません。
英語の平均点が40点台になるのは2010年度入試以来で、前期後期制になった2021年度以降で比較しても初のことで、過去10数年の中で最も難しかった問題だと言えます。
今年の英語の問題で一番注目した問題は大問4のNo.1②の問題です。
この問題の正答率はたった4.4%でしたが、決して無回答者が多い問題ではありません。また答えも「enjoy」であり、couldの後の穴埋めのため動詞の原形が当てはまることは予想がしやすい問題ではあります。しかしそれでも正答率が今回最も低くなった理由はなぜでしょう。以下にリスニングで流れた文章を紹介します。
まず英文を全て聞いても答えが出ているわけではありません。最後の「she had a good time」の部分からenjoyを導かなくてはいけない問題です。その他の大部分の場所に意識を集中すると全く異なる答えになってしまいます。
今後もこのパターンの問題は出続けると予想されますので、「英文を聞き取る」だけではなく、「話の内容を理解する」力をつけていく必要があります。
次回は理科と社会について分析していきます。